レイトショーに通い詰め>箱モノへの囲い込み
- 2017/12/03
- 11:29
独り身の秋の夜長を持て余し、3カ月に6度も映画館に通ってしまった。鑑賞したのは、「ワンダーウーマン」(8月25日公開、パティ・ジェンキンス監督)、「ダンケルク」(9月9日公開、クリストファー・ノーラン監督)、「エイリアン: コヴェナント」(9月15日公開、リドリー・スコット監督)、「プラネタリウム」(9月23日公開、レベッカ・ズロトヴスキ監督)、「ブレードランナー 2049」(10月27日公開、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督)、「ジャスティス・リーグ」(11月20日、ザック・スナイダー監督)の6作品。我ながらハリウッドの害毒にどっぷり浸かった、ミーハーな趣味のラインアップだなあと思う。
とはいえ、レイトショーの客席は閑散としている。上映直前のチケット購入で、座席指定をするモニター画面を覗くと、埋まり具合は毎回10人未満である。2人のときもあった。ミーハーにしては少数派なのである。
3Dメガネは撒き餌
毎回「重箱の隅」で鑑賞しているわけだが、「隅に置けない」と紹介するエピソードもない。チケットを買う段階では、ブログのネタにとの魂胆があっても、見終われば映画評ぐらいしか書くことがない。好みの問題をほじくっても詮ないことに思えてくる。
収穫は3Dメガネぐらいかな。
先のラインアップで、「プラネタリウム」を除く5作品はいずれもIMAXシアターでの鑑賞、割増のためシニア料金の特典は薄れたが、3Dメガネは1本を使い回すことが出来たのでメガネ代100円は節約できた。以前は入場時に受け取って退場時に返却するシステムだったように記憶するが、今は持ち帰ったメガネを次回持参できるようになった。
いや待てよ。よおく考えると、この「収穫」はIMAXシアターの囲い込み手段ではないか。A館の3DメガネはB館では原則使えないのである。同じイオンモールであっても、土浦のシネマサンシャインとつくばのUSシネマは別系統。試したわけではないが、劇場サイトを参照すると「画質の低下や映像が映らないなど悪影響が発生する可能性が」あると断っている。
土浦・つくばのシネコン市場は、乱立から過当競争気味になっている。持ち帰れる3Dメガネはハコ(劇場)に囲いこむための撒き餌と言えなくもない。12月15日公開の「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」を観ようとすれば、保有してぃる3Dメガネで劇場を選ぶかもしれない。劇場にしてみれば、他人に貸す利用方法だって推奨ものだろう。
体よく手伝わされる
レイトショーに通い詰めた結果、8月末に土浦市立図書館から借りた16冊の本は、半分も読まないうちに返却期限が迫った。先月末、土浦駅前にオープンしたアルカス土浦の新図書館まで、早々に返しにいかなければならない。
これもよおく考えてみると、体よく図書館引っ越しの手伝いをさせられたようなものだ。1人最大20冊までの貸し出しだったから、100人が借りたら2000冊になる。その分図書館側の負担が軽減できる。
さらに返却時の利用で新図書館のにぎわい演出に一役買うように仕組まれている。策士がいるのかもしれない。
このようにして、人は箱モノに囲い込まれる――なんて、疑り深くなるのは、映画のせいだろうか、読書のせいだろうか。独り身の持て余す時間のせいに違いない。
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